2013年11月5日火曜日

価値観の違う人をどうマネジメントするか?~『女子社員マネジメントの教科書 ~スタッフ・部下のやる気と自立を促す45の処方箋/田島弓子』

2012年11月30日のアメブロから転記しました)

女子社員マネジメントの教科書 スタッフ・部下のやる気と自立を促す45の処方箋/田島弓子..




大好きな田島弓子さんの近著です。

書かれているのはまさにタイトル通り「女子社員マネジメント」です。
しかし、それだけの話ではありません。
「おわりに」にこうあります。

本書で取り上げたことは、男女の話ではなく「価値観の違う人をどうマネジメントするか」というシンプルな話。(p228)

そういう意味で、なんらかマネジメントの仕事に関わる人は、女性部下がいる、いない、に関わらず、読み手の工夫次第で参考になることがたくさんあると思います。

2年ほど前、このテーマで田島さんが、川崎貴子さん、金澤悦子さんとコラボでセミナーをされたことがあって、それを拝聴させていただいたのですが、そのとき川崎さんが

「よく、女性社員活用と言って女性幹部に話を聞いたり案を出させたりしますが、それはダメです。そういう人は、中身はほぼ男だと思って間違いない。」

と言われていたのを印象深い憶えています。

男だ、女だ、という単純な区分けではなく、結局は個々人と向き合って考えるしかないと思ったのでした。


<目次>
・Step 1 上司の「5大お悩み」と部下たちの本音
~彼女たちが何を考えているかわからない!・Step 2 自立したビジネスパーソンに変わる5つの意識改革
~陥りがちな5つの意識とその対処法
・Step 3 これだけは言ってはいけない8つの言葉&伝えるべき8つの言葉
~ 関係不全の発端は、上司が何気なく発した一言
・Step 4 やる気を育てる上司になるための5か条と具体策
~次はあなたが変わる番です!
・Step 5 戦力最大化のネクストステップマネジャーとして育てるために
~女性社員を戦力化し、次の管理職候補に
・おわりに きたるべきダイバーシティ&インクルージョン時代に向けて



少し、昔の僕の話を書きます。
「Step 1」は「彼女たちが何を考えているかわからない!」ということですが、これ、僕自身が新入社員ころから上の人に言われていたことでした。

「お前が何を考えているかわからない!」

特に「すぐ感情的になる」というのはまさに僕のこと(苦笑)
仕事で叱られたことを人格否定のように受け取っていました。
(いま振り返ると、人格否定をするような言い方をする上司もいましたが、すべてがそうだったわけではありません)


また、「これだけは言ってはいけない8つの言葉」のうち、7つは言われたことがあって、6つは確実にやる気をなくしてました(苦笑)

特に「なんで失敗したんだ!(とキレる)」はもう、お話しにならない。なんで失敗したか、理由を説明できるなら失敗なんてするもんか、と思ってました。

僕の話を持ち出したのは、昔の僕がいかに使えなかったか、という暴露話がしたかったわけではなく、男女の違いを過度に考えすぎるのはよくない、男性でも同じように気をつけなくてはいけないことがある、ということが言いたかったわけです.。(お前が女性的なんだろ、と言われればそれまでですが)


ただ、大雑把に言えば、男女の生物的な違いはあるし、現実、仕事社会では女性は排除されてきた歴史が長いわけですから、その分、女子にはより大きな配慮が必要だ、程度に考えたほうがいいと思います。

また。価値観の違いについても、最近のいわゆるゆとり世代を特別視するのはどうかと思います。
確かに僕らには理解不能なこともありますが、僕らの世代も「バブル世代」と言われて化け物扱いされてきたわけだし、僕らの少し上は「新人類」と言われ、宇宙人のように言われてきたわけですから。

「価値観の違う人をどうマネジメントするか」

ということは、実はいつの時代にも必要なことだったはずで、それが、経済成長と終身雇用の建前の中で如実に顕在化しかなっただけだと思うのです。



さて、今度はマネジメントをする側として考えた場合ですが、僕は「自分がされて嫌だったことはしない」という程度の決め事はしています。

先に書いたように、そのへんは、男女の差なく、嫌なものは嫌だろうと思うので。

その上で、本書で書かれている「やる気を育てる上司になるための5か条」のうち、ある程度は出来ているかも、と思えるのは、第3条の観察力と第4条の頼り上手です。

もともとホテルでの主任時代、自分が電話で話しながら、反対の耳で他の人の電話の内容を聴いているようなタイプだったので、観察については下地があったのだろうと思います。

頼り上手は、今の仕事の現業は僕はやることができないので(苦笑)頼るしかない、というところからスタートしています。

上司としての威厳もなにもあったもんではありませんが、それでもいいと思っています。要は職場の成果が上がればいいので。そして、僕の仕事は現業とは違う所あり、彼らにはできないことをするのが職務だと思っています。

逆にいまだにできていないのは、第5条の叱り上手になるということ。どうにもこの部分の苦手意識は払拭しきれずにいます。


自分の状況と照らし合わせながら読むと、いろいろなヒントが得られると思います。万人に必ず役立ちます、というつもりはないですが、

「価値観の違う人とのコミュニケーション」

を模索している人には参考になると思います。


好むと好まざるとに関わらず、これからの時代、女性といわゆるゆとり世代の若手に働いてもらわないと、会社、ひいては日本社会が廻っていきません。そのための手掛かりを探すつもりで読まれるといいと思います。